『RiP! リミックス宣言』オリジナルとパロディとフェアユース


RiP! リミックス宣言 (2008)
監督:ブレット・ゲイラー
公式サイト http://www.opensourcecinema.org/
『デスノート』の金子監督大激怒!リミックスの著作権はどうなっているんだ! - シネマトゥデイ

シンポジウム「著作権とは、オリジナリティーとは何か」では、コンペティション部門に出品していたカナダ映画『RiP! リミックス宣言』のブレッド・ゲイラー監督と金子監督が大バトルを展開。

ゲイラー監督の映画は、既存の映画や音楽をリミックスした新しいアートが生まれていることを奨励し、彼らの前に立ちふさがる古い著作権法を見直すべきという内容で、世界中の映画祭で物議を醸している。

 ゲイラー監督に対して、金子監督は「コンピューターの中でいじられているオリジナルの映画を作っている者として、あなたの映画は許すことはできないし、その映画を観て拍手している観客もどうかと思う。ゲイラー監督もコンピューターの前から離れて、一から映画を作ってみたらいい」と発言。それに対してゲイラー監督は鼻で「フフッ」と笑った後「映画を作ったことはありますよ」と挑発し、会場は一気に険悪ムードになった。

エースをねらえ!」パロディネタでポルノ映画を監督した金子修介監督がオリジナル云々と批判をしている?
と思ったら映画評論家柳下穀一郎さんのブログでしっかりとその点を指摘され、更に金子監督自身がコメント欄で言い訳をしています。

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RiP! リミックス宣言 (2008) 映画評論家緊張日記

実際『RiP!』はかなり賛否両論かなり激烈な反応を引き起こして、監督協会シンポジウムでは「映画の著作者は映画監督である」という主張を奉じる映画監督たちから吊し上げにあったりしていたほどだ(だが金子修介山本鈴美香に原作料を払ったのだろうかね)。問題を引き起こすことこそが映画祭の中心がどこにあったのかという証明である。「自由な社会を創るためには、我々は過去からのコントロールを制限しければならない」!

ゲイラー監督のやっているダウンロードからの無制限な盗用と、私が25年前にやったパロディ表現とでは、質が違いますよ。
投稿: 金子修介 | 2009-10-15 01:17

ブレット・ゲイラーは必ずしも「無制限な盗用」をやっているわけではないと思いますが。彼の主張はわりと穏健なものではないでしょうか。「作品発表後95年はいくらなんでも長過ぎる」というくらいのものでしょう。

フェアユースとパロディの質がどう違うのかもなかなか難しい問題ですね。少なくともアメリカでは同一の法概念とされているとぼくは理解しています。
投稿: garth | 2009-10-15 11:44

26年前、イヤイヤ助監督やっていた私は「宇能鴻一郎の濡れて打つ」という題材を渡され、ヨシ、いよいよ監督だぜと喜びましたが、その時の東スポの連載では1回目から15回目まで、「わたし、女子高のテニス部員なんです。エレベーターの中でおじさんにイヤらしい事をされているんです」というだけしかネタがなかったので、「エースをねらえ!」の人間関係を思い出し、結果的にそのパロディとして作品を作り、監督昇進を果たし、会社も「エースをねらえ!」を知らなかったんで「なかなかいい青春映画じゃないか」と言われましたが、山本先生には未だ御挨拶しておりません。
ゲイラー氏に文句を言う前に、山本先生に挨拶した方がいいんでしょうか。
投稿: 金子修介 | 2009-10-15 23:04