景気悪化で描画力を求め始めた日本の現代美術市場

困った時のデッサン・版画頼み - 絵で彩る暮らし日記 - 楽天ブログ(Blog)

全般的に、このご時世厳しいから絵も売れなくなって、
でもみんな号6万円とかの作品価格を下げる事が出来ないから、
代わりにデッサンや版画、パステル画などを売っている。

以前から、よく現代アートで、作品自体が売れないアーティストが、作品の代わりにデッサン売る話は知っていたから。
作品自体が一般的な理解を得られなくて、お金を出して買ってくれる人がいないものになると、描画力の誇示での対価に移行するしかなくなってくるという理由で。

経済状況が悪化した現在、美術に求められる要素が、
万人に理解されやすい描画力を持った作品へと風向きが変わったのは市場を見ていれば明らかです。
一目で判る「描画力」を売りにしていた作家でなければ、
いくら本画よりも安価とはいえ、デッサンを売るということは難しい。
つまりデッサンを売る、売れるという状況は、本画よりも価格が安いという理由だけでなく
「描画力の誇示での対価」に移行したと言われているわけです。
或る意味、この状況は技巧的な方向へ寄り添ったマニエリスムと似た傾向といえるかもしれません。